最近は、時間術・仕事術ということばをよく聞きます。
たくさんの仕事を抱える中で、なんとか効率よくサッサと仕事を終わらせたいというのは誰しもが思うこと。
そして多分、今も昔も変わらない最大の課題のひとつ。
そんな中、「オレ、ポモドーロやってるよ」「お〜知ってる!あれいいよね、25分刻みで5分休むヤツ」っていう会話を聞くこともすごく多くなりました。
一方で、「いや、俺はさ〜自分のペースで休憩取りたいんだよね」なんていう意見もある。
ん?? ちょっと待って!
ポモドーロをただのタイマーと考えているのなら、それは大きな間違い!
ポモドーロの本当の活用法を知らない人が多すぎる…
ポモドーロの使い方をマスターすれば、きっと人生が変わります。
大袈裟じゃありませんよ。ポモドーロには、それくらい深い力があるんです。絶対!
ポモドーロはタスクを効率よくこなす一連のメソッド
ポモドーロテクニックではまず、自分のタスクを書き出して把握することから始まります。
- 自分は今、どんなタスクを抱えているのか。
- そのタスクはいつ発生して、いつまでに終わらせたいのか。
- そのタスクには、どのくらい時間がかかるのか。
- 優先順位はどうなっているのか。
こうしたタスク管理は、たいていはやっていると思います。
書き出していなくても、大体は頭に入っているはず。
ポモドーロテクニックが本領を発揮するのは、ここからです。
たとえば、こんなモヤモヤありますよね。
半日で終わると思った作業なのに、丸々一日かかっちゃった…
せっかく集中して取り掛かろうと思ったのに、途中で色々頼まれごとされちゃうの…
早くやらなきゃって思っていることがあるのに、なんとなく先延ばし…
ポモドーロテクニックなら、こういうモヤモヤとしたストレスを解消できるんです。
必要なものは「メモ」と「タイマー」
ポモドーロテクニックといえば、インターバルタイマー。
「25分仕事をしたら、5分休むを繰り返す」です。
じゃ早速、25分・5分でタイマーをセットしよう!
いやいや、ちょっと待って!
ポモドーロは 「まずタイマー」じゃありません。
タイマーは必須だけど、その前に必要なのが「メモ」です。
もっと言うと、メモこそが必要です。タイマーは、台所のキッチンタイマーでも充分。
そもそも、「ポモドーロ」っていう名前は、たまたまキッチンにあったトマトの形をしたキッチンタイマーを使いはじめたのが命名のきっかけだそうですから。
メモは、紙のノートやメモカードでも、あるいはExcelなどのデジタルツールでもOK。
そこにタスクを書き出して、タスクの在庫シートを作ります。
在庫シートには、タスクと一緒に次のようなことも一緒にメモします。
- 記入日(タスクの発生日)
- 見積もり時間(25分を1単位として、何単位かかるか)
Excelに在庫シートを作るなら、ついでに次の項目も用意してしまいましょう。
- 取りかかった日(→ 記入日からこの日までの日数が、在庫期間となる)
- 完了日(→ 在庫から取り出した日からこの日までが、作業日数となる)
- 実際にかかった時間(25分を1単位として、何単位かかったか)
タイマーで時間を測って仕事をこなしながら、これらの項目を管理していくことで、作業時間の見積もりスキル、時間の使い方、タスクの取り組み方のスキルが上がって行きます。
インターバルタイマーの役割は、整理されたタスクを集中力を最大限に発揮しながら整然とこなすためのひとつの目安なのです。
時間ごとに休憩をとることが、ポモドーロの全てではないんです。
時間の使い方が変わる
仕事に取り掛かるときは、作成した在庫シートからその日にやるべきことをピックアップします。
ここで大切なのは、その日一日で完了できる分だけ取り出すこと。
今日やれる分だけ、ね!
もし、朝一番に「メールをチェックする」とか「書類に目を通す」などのルーチンがあるのなら、それも時間を決めてタイマーセットしてからはじめます。
こういうときは、25分にこだわる必要はありません。
10分で済ませたいなら、10分タイマーでいいのです。
こうすることで、「ちょっとメールをチェックするだけ」のはずが、返事を考えはじめて「気がついたら1時間も経っていた」なんてことが回避出来ます。
もし、返信に時間のかかる内容のメールなら、その返信のための時間を改めて確保するためにメモしておきましょう。
今は、10分タイマーの中で作業に集中することが大切ですから。
もちろん、在庫シートからタスクを取り出す作業を始める時も、タイマーです。
「その日のやることを決めるだけ」のつもりが「スケジュール管理の時間」になってしまってはいけませんからね。
今のタスクに集中するんだね!
段階的な目標をひとつずつクリアしていく達成感
タスクを書き出して、費やす時間を把握してこなしていくと、タスクに対する時間の見積もりスキルが上がっていきます。
最初のうちは、時間の見積もりがうまく出来ません。たいていの場合は、実際の作業時間が見積もり時間をオーバーしてしまう。
あるいは、そもそも一つのタスクとして掲げた内容が大きすぎて、時間が見積もれない。
そればかりか、タスクが大きいといつまでも同じタスク項目を抱えて、停滞感がつのる。
実際、自分自身もそうでした。いや、今でもまだまだ苦手です。
でもやっているうちに、見積もりもタスクの区切り方も、だんだんと上手くできるようになってきたし、「これだけの時間でココまでこなす」という気持ちも定着してきて、実作業が見積もり時間に近づいてきます。
そして「今日はここまでこなす」という意識が根付いた中で仕事を進めていると、ちょっと気持ちが変わってきます。
「まだまだアレもコレもやらなきゃ」「まだこれしか進んでいない」という気持ちから、「今日はここまで進んだ」「これでヨシ」という感覚になってくるんです。
仕事が終わったときに、達成感が得られたら「いや〜、自分ってなんて有能なんだ!」とか、きっと思ってしまう…
いやそこまで行かなくても、ストレスがかなり減る。
進捗が順調だと感じられれば、気分もいいもんね。
割り込みタスクの処理
ここまで読んで、きっと誰しもが思うと思います。
でも、そんな簡単にうまく行くかな〜
そうなんです。
実際にポモドーロテクニックを導入しても、最初はなかなかうまく行きません。
一番の問題は、途中で割り込んで入ってくる仕事です。
割り込みタスクは、周囲の同僚から投げかけられるだけではなくて、自分自身からも湧きだすように出てきます。
不意に何か別のタスクを思い出したり、他のタスクについてのいいアイデアが閃いたり、あるいは急にどうしてもトイレに行きたくなることだってあります。
まぁ、緊急のトイレにはすぐに行くとしても、そのまま別のタスクをズルズルとはじめてはいけません。
別の仕事が割り込んできたときは「割り込みカード」を準備してメモしておき、それもタスクの在庫として管理します。
もし電話がかかってきて、そのまま長くなるようなら、改めて折り返すようにもできます。
同僚には「ポモ中です」と机にメモ書きを立ててアピールしておけば、緊急でなければ25分くらいなら待ってくれますよ、きっと。
今ポモちゅうなの、ちょっと待ってて…
ポモドーロ・テクニックの公式本
ポモドーロ・テクニックには、フランチェスコ・シリロ(Francesco Cirillo)さんという、ちゃんとした開発者がいます。
そのフランチェスコ・シリロさんが、2019年3月に公式本を出しています。
ポモドーロで一冊の本が書けるのですから、ここで書ききれるハズがありません。
実際、ここで紹介したのはポモドーロテクニックのほんの僅かな一部分です。
それに、私の主観や勝手な思い込みも、たぶん入っていると思います。
なので、時間管理や仕事術などに興味があるなら、是非ともきちんとポモドーロテクニックを理解して、一度実践してみることをオススメします。
「アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門」
私がポモドーロに出会って、もっと詳しく知りたいと思って最初に読んだのはアジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門
こちらは、2010年発行と少し古いですが、楽しく読めます。