InDesignには、囲み文字の機能がありません。
でも、ちょっとだけ工夫すれば、文章中の一部の文字だけに背景色をつけることができます。
この記事では、任意の文字に背景色をつける最も簡単な方法を紹介します。
ここでの方法は文字に対して設定するので、文字数が変わっても背景部分も自動で伸び縮みするという便利なやり方です。
段落を丸ごと罫線で囲んだり背景色をつける場合は、下の記事にまとめました。
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四角囲みの背景色をつける

文字に四角囲みの背景色をつけるには、「下線」の機能を使います。
以下のような下線設定で文字スタイルを作成します。
この例は、文字サイズ14Qに対する設定値です。

ここでのポイントは「オフセット」です。
オフセット量は、文字に対する下線の上下センターの位置を、「本来の位置」から「文字の上下センター」まで移動させて、文字と下線がちょうど重なるように計算します。
単純に考えると、14Qの文字の下線をセンターまで移動させるなら、7Qぶん(ー1.75mm)となりそうですが、そうはなりません。
その理由は、下線のデフォルト位置は欧文ベースラインが基準になっているためです。
設定値の計算は、文字サイズの38%分をオフセットすると、覚えておくと良いです。
もし、囲み背景の文字を行末で改行させたくなければ、以下のように、基本文字形式で「分離禁止」にします。

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角丸の背景色をつける

角丸の背景にするなら、下線の線種を「点」、間隔カラーを点と同じ色に設定します。
この場合のオフセット量も、先に説明した「四角囲みの背景色をつける」の通りです。

ここでのポイントは、「間隔カラー」です。
設定を線種の色と同じにすることで、点と点の間が塗りつぶされます。
次の例ように間隔カラーをC100にしてみると、間隔カラーの役割がはっきりわかりますね。

下線で背景色をつける長所・短所
InDesignの下線を使って背景色をつける際には、注意点がいくつかあります。
まず、最大の短所は、文字サイズごとに下線設定を変えた文字スタイルが必要になる点です。
下線は、線幅とオフセット量を絶対値で指定するので、下線の「太さ」と「位置」は文字サイズに応じた背景色の自動伸縮ができないのです。
なので、文字サイズごとに線種とオフセット量を変えた文字スタイルを作る必要があります。
一方、長所としては、文字数の増減に対しては、自動で伸び縮みするので便利です。
囲みの内部や外周の左右に余白を入れたい場合には、空白文字を入れて調節しなければならないもどかしさもあります。
特に角丸背景のときは、背景の内部文字の前後に空白文字を入れないと、背景から文字がはみ出してしまいます。

InDesignっておもしろいよ
InDesignにはたくさんの機能があるので、もし仮に、自分のしたいことがピンポイントでメニュー項目になかったとしても、他の機能を駆使したり、複数の機能を組み合わせたりすることで実現できることもあります。
もし、普段は使ったことのない項目をメニューの中に見つけたら、仕事の合間などに遊ぶ気持ちで使ってみると良いですよ。
きっと、面白い発見がありますから。
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