InDesignは高機能なDTPアプリケーションです。
それゆえ、初心者がInDesignを使い始めるときは、何から始めればいいのか迷うことも多いです。
そんな迷えるInDesign初心者でも、要点を押さえて学べば、きちんとしたプロになれます。
というか、プロになるならInDesignの基礎からきちんと学ぶべきです。
InDesignは、データの作り方次第で作業効率に大きな差が出ます。あとの修正作業にも大きな影響が出るのです。
しっかりと学んで、クールなInDesignのプロになってください。
InDesignには「親ページ」という仕組みがありますが、古いInDesignでは「親ページ」を「マスターページ」という名前で呼んでいました。
呼び方が変わっただけなので、解説書に出てくる「マスターページ」は、「親ページ」と読み替えて問題ありません。
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InDesignを基本から学ぶ
InDesignを使うのは、InDesign専門のオペレーターだけではありません。
デザイナーがカンプを作ったり、プログラマーやスクリプターもInDesignを使います。
どんな立場でInDesignを使うにせよ、まずはマスターページや段落スタイルといった基本を押さえましょう。
基本がわかると、パズルを何層にも重ねるようなInDesignのデータ構造がすっきりと見えてきます。
「初心者からちゃんとしたプロになる InDesign基礎入門」
「初心者からちゃんとしたプロになる InDesign基礎入門」は、InDesign初心者を対象に書かれた入門書です。
「InDesignとはどんなソフトなのか」というところから始まり、ドキュメントの作成、テキストの書式設定、テキストフレームの扱い方、図形の描画、連続ページの作り方、スタイル設定、表組みへと進みます。
終盤は、ドキュメント作成後のチェック方法や、プリント、書き出しの方法に加え、Adobe Fonts・Adobe StockのInDesignでの使い方も解説。
プロとしてInDesignを使うために、きちんと押さえておきたい内容が丁寧に盛り込まれています。
また、内容はInDesign独自の機能だけでなく、DTP用語として知っておくべき言葉などの基礎知識も、大切なポイントとして随所にコメント書きされています。
InDesign入門には、最もおすすめしたい良書です。
対応バージョンはInDesign CC2021。サンプルファイルのダウンロード可。
Amazonで試し読み可。
著者は、InDesign業界の第一人者である森裕司さん。
2020年12月発売。346ページ。
著者の森裕司さんは、Webサイト「InDesignの勉強部屋」の運営もしているデザイナーです。
また、日本では数少ないアドビ公認のエバンジェリストでもある有名人。
「InDesign クリエイター養成講座【CC 2018 / CC 2017対応】」
InDesign クリエイター養成講座【CC 2018 / CC 2017対応】
この「InDesign クリエイター養成講座【CC 2018 / CC 2017対応】」では、「InDesignはどんなソフトなのか」という基本の解説のあと、実際の作例を用いて「この紙面を作るにはどういう操作をするのか」という操作方法が説明されています。
作例は、横組みの端物として「リーフレット」、縦組みのページ物として「冊子」、横組みのページ物として「取扱説明書」といった具合。
練習ファイルのダウンロードもできます。
対象バージョンはInDesign CC2018とCC2017なので、初めてInDesignを使う人には、最新バージョンとはメニュー項目が少し違うところもあって気になるかもしれませんが、AmazonのKindle Unlimitedで読み放題対象書籍になっていますから、まずはちょっと見てみようかというには、ちょうど良いかもしれません。
Amazonで試し読み可。
著者は瀧野 福子さん。
2018年4月発売。256ページ。
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「きほんのインデザ InDesign必修ガイド【ダウンロード特典付き】」
きほんのインデザ InDesign必修ガイド【ダウンロード特典付き】
「きほんのインデザ InDesign必修ガイド」は、InDesign初心者が「まずは1冊作ってみる」ということを主眼に書かれている入門書です。
著者は、IllustratorユーザーがInDesignを使い始めるときの目線を意識しているので、「Illustratorの感覚から、頭の中がInDesign脳に切り替えられずに困っている人」にとっても、わかりやすい説明になっています。
例えば、マスターページやテキストフレーム、スタイルの役割などは、InDesignの基本の「キ」でありながら、Illustratorユーザーにとっては馴染みのないものばかり。
そうしたInDesignの基本を押さえて、最終的には複数のファイルを1つにまとめる機能や、印刷する工程までを「まずは気軽に1冊作って見る!」というスタンスで体験します。
書籍内で使う作業ファイルはダウンロード可。
電子版のみ。Amazonで試し読み可。
対象バージョンはInDesign CC2020。
発売は2020年10月。約350ページ。
著者は、イラストレーター&デザイナーの井上 のきあさん。
「世界一わかりやすい InDesign 操作とデザインの教科書 [改訂2版] 」
世界一わかりやすい InDesign 操作とデザインの教科書 [改訂2版]
「世界一わかりやすい InDesign 操作とデザインの教科書 [改訂2版] 」は、2021年5月に発行された改訂第2版。
InDesign CC2021までをターゲットにしている比較的新しい本です。
InDesignを初めて使う人を主なターゲットにしていて、基本的な機能の解説に重点が置かれています。
各章ごとに練習問題が出題され、解説を読んで学習した内容を実際に自分で操作して復習できるようになっています。
「基礎から丁寧に学びたい」という初学者向け。
ただ、InDesignは多機能なソフトなので、基本的な内容といえども、教科書はそれなりのボリュームがあります。
コツコツと進める根気が必要かも。
レッスンファイルのダウンロード可。
対象バージョンはInDesign CC2021。
Amazonで試し読み可。
ベクトルハウス著。
2021年5月発売。352ページ。
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中・上級者・スクリプター向け
InDesignは、とても奥深いアプリケーションです。
ある程度はInDesignを使えるようになったと思っても、たぶんそれは、まだまだInDesignの入り口に過ぎません。
むしろ、InDesignの本当の面白さを体験するのはそこからです。
また、InDesignのスクリプトを作る人も、InDesignの深い知識は必須です。
JavaScriptやVBSが書ければInDesignのスクリプトが書けるのか? といえば、全くそんなことはありません。
実は全くの逆で、InDesignを知らなければ、スクリプトは書けません。
そして、InDesignの使い方を深く知らなければ、現場での実用に耐えうる良いスクリプトは作れません。
ちょっとした便利ツールとしてのスクリプトなら、局所的で一時的な知識で十分ですが、ひとつの案件をシステマチックに動かして、クリック一つでノーミス・時短を実現するシステムを1から構築するには、InDesignの深い知識は絶対に欠かせません。
InDesignを深く知り、その底力を引き出す力をつけてください。
InDesignの本当の面白さが見えてきます。
「InDesignパーフェクトブック」
「InDesignパーフェクトブック」は、総ページ数448ページもあるボリュームのある解説本です。
InDesignの基本設定から、テキストの配置、スタイル機能、カラー、表作成など、InDesignの画面スクショをふんだんに載せながら、解説しています。
単なる機能説明ではなく、どんなときにその機能を使うのか、その機能を使うとどんなメリットがあるのかなどの説明もされています。
InDesignを使い始めた人が「もっと細かく知りたい」「このメニュー項目はどんな機能だろう」というような、少し突っ込んで知りたくなった気持ちに応えてくれる参考書です。
InDesignの環境設定と基本操作だけで80ページほどもある詳細さですから、DTPの初心者がいきなり初めから読み進むのは不向きかもしれません。
でも、キャッチコピーは「すべてのInDesignユーザーにささげる一冊」ともありますから、挑めるなら初心者さんも是非!
InDesign CC 2018対応版は、紙形式のみの発売。
発売は2018年4月。448ページ。
著者は森裕司氏。
最新版「InDesignパーフェクトブック2023対応版」がPDFでリリース済み。全573ページ。
Webサイト「InDesignの勉強部屋」で、改訂版Chapter1・Chapter2・Chapter15が無償公開中。
イチオシです。

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「InDesignプロフェッショナルの教科書」
InDesignプロフェッショナルの教科書 正しい組版と効率的なページ作成の最新技術 CC 2018/CC 2017/CC 2015/CC 2014/CC/CS6対応版
「InDesignプロフェッショナルの教科書」では、前半は、InDesignを使う上で覚えておきたい機能を紹介。
高機能なInDesignに備わっている「意外と知らない機能」についても、多く紹介しています。
後半では、ケーススタディとして実際に印刷物の制作手順を解説。
「雑誌」「カタログ」「旅行パンフレット」「特色2色の印刷物」といった事例ごとに紹介しています。
本書執筆時の最新バージョンは、InDesign CC2018。
Amazonで試し読み可。
著者は、森裕司氏。
発売日は、2018年3月。256ページ。
「超時短InDesign「文字組み&レイアウト」速攻アップ!」
「超時短InDesign「文字組み&レイアウト」速攻アップ!」では、文字組みとレイアウトに対象を絞って、効率ワザ・即行ワザ・裏ワザと言われる便利な使い方を、作例を用いて紹介しています。
単なる時間短縮につながるだけでなく「その後の修正に強くなる作成方法」「こう作れば、あとはInDesignがうまくやってくれる」というような、InDesignの賢い仕組みを知ることができます。
対応バージョンはInDesignCC2018ですが、それ以降のバージョンでも十分に役立ちます。
目次は、逆引き形式の一覧のようになっているので、気になるページから読めます。
作例ファイルはサンプルファイルとしてダウンロード可。
対象バージョンは、InDesign CC2018。
Amazonで試し読み可。
こちらの著者も、森裕司氏。
2018年1月発売。192ページ。
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InDesignの自動化に関する本
InDesignは、JavaScript・VBScript・AppleScriptで制御することができます。
ExcelやAccessのVBAからも動かせます。
InDesignにはサンプルプログラムが付属しているので、ソースコードを開いて見ることができますが、それだけ見ても、「やってることは何となくわかるけど、自分のしたいことをどう書けばいいのかわからない」となるのが一般的。
そんなときに役立つ、良い参考書を紹介します。
「組版時間を半減する! InDesign自動処理実例集」
この「組版時間を半減する! InDesign自動処理実例集」では、InDesignの自動化機能を、学習編・実用編・応用編と段階を追って解説しています。
学習編ではまず、スクリプトを使わずにInDesign自体が持っている機能で自動化する方法を紹介したあと、JavaScriptを使った自動化へと進みます。
この学習編で目を引くのは、InDesignの各オブジェクトにアクセスするJavaScriptの命令やプロパティの対応図です。
この両者の対応図は、「JavaScriptの経験はあるけど、InDesignはこれから覚える」という初学者にとっては、とてもわかりやすく、また貴重です。

実用編では、具体的にスクリプトでInDesignのテキストフレームや表を扱うとき、どんなコードを書くのかを実例に沿って解説します。
実際に動作するJavaScriptコードを示しながら、そのコードを実行するとInDesignの「何」が「どうなる」のかが細かく説明されているので、それを真似ながら少しアレンジして自分でコードを書いていくと理解が進みます。
応用編は、リファレンスのような構成です。
例えば、「新規ドキュメントを作成する」際の「書式」「説明」に続いて「サンプルプログラム」が複数掲載されています。
全体を通して、サンプルコードとともに、そのコードを動かすとInDesignで何が起こるのかという画面キャプチャが掲載されているので、理解しやすい構成になっています。
この組版時間を半減する! InDesign自動処理実例集は2009年の発行で、対象としているInDesignのバージョンはCS2/CS3と、かなり古い本ですが、InDesignがバージョンアップされても、InDesignオブジェクトの制御方法に違いはありません。
JavaScriptでInDesignのオブジェクトにアクセスする基本的な書き方が理解できれば、あとは自分のしたいことを調べながら、どんどん書けるようになります。
スクリプトを書くにはInDesignのオブジェクトモデルを知る必要がありますが、それは、お〜まちさんのWEBサイト「ディザInDesign」に「InDesignのドキュメントオブジェクトモデル」という素晴らしい作品があります。ありがたく使わせていただきましょう。
この「組版時間を半減する! InDesign自動処理実例集は、スクリプトでInDesignを自動化する基本部分を知るには、最良の書です。
「JavaScriptは書けるけど、InDesignがわからない」というようなプログラマーさんには、特に必須の一冊です。
だんだんと店頭から在庫がなくなっている様子なので、購入を迷っているならお早めにどうぞ。
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