私が初めてStockを使ってみたのは、2020年のコロナの真っ只中。
在宅勤務の仲間たちと、いくつかのコミュニケーションツールを試していたときです。
あまり期待せずに使ってみたStockは、驚くほどシンプルなくせに「そうそう!!こういうツールが必要だったんだよ!」って、悔しくなるくらい快適でした。
Stock。
もっと早くに欲しかった!! そう思った理由をまとめます。
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Stockを使ってみた感想
Stockは「情報共有ツール」だけど、情報を保存しておくだけの箱ではありません。
Stockの機能はすごくシンプルなのに、資料室(情報の蓄積)と会議室(チャット)の役割を持ち、タスク・スケジュールの遂行補佐もしてくれます。
しかも、どの機能も「どうすれば使いやすく有機的に結びつくのか」ということが考え抜かれているのです。
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情報へのアクセスが簡単
Stockのメイン機能は「情報のストック」です。
ストックする情報は、Stockの「ノート」という場所に書き込みます。
この「ノート」は、作成するのも、見るのも簡単。
もちろん、書き込む内容はなんでもOK。だってノートですから。
「ノート」はStock内の「フォルダ」と呼ばれる場所に表示された「ノート」のタイトル部分をクリックするだけで、画面右側にその内容が表示されるんです。
私はこの手軽さを、「メーラーで、メールの内容を表示するときと似ている」といつも説明しています。
しかもこの「ノート」は、必ず分類されて蓄積される仕組みになっているので、闇雲にバラバラと増えて行くこともありません。
Stockでは、情報を「ファイル保存で管理する」ということをしません。
だから、情報へのアクセスに全くストレスがない。
コレ、すごいことです。
フォルダ分けして保存されたWordやExcel、PDFファイルを、わざわざ表示・クリックして開くなんて、もう面倒くさくて誰もやりたくないんです。
論点ごとに「チャット」できる
一般的なチャットでは、メンバーは自由に発言し、色々な話題が飛び交います。
そして、それらの発言はどんどん上へと流れていって、あとから探すのは一苦労。
Stockでは、そんな苦労はありません。
下の画面を見るとわかるように、右下に□で囲まれたメッセージ欄の裏側(下側)には、ノートが表示されています。
「ノート」を見ながら、その「ノート」ごとにメッセージがやりとりできるんです。
メッセージは、「ノート」には関係なく送信することもできます。
例えば、メンバー全員に対する周知事項などは、画面上部のメッセージボタンから送信するなど、使い分けができます。
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「タスク管理」の視点が秀逸
タスク管理も、チャットと同じように、Stockで書き込んだ「ノート」に紐づけて管理できます。
Stockのタスク管理は、2つの視点で見ることができます。
「ノート単位」でどんなタスクがあるのか、という視点と、「メンバー単位」でどのメンバーがどんなタスクを持っているのか、という2つの視点です。
これは、当たり前の視点なのですが、「ノート」を使った情報共有を前提にしたStockだからこそ実現できているのです。
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使い方がわかりやすい
Stockの画面構成は、使い方が直感的にわかりやすい作りになっています。
Stockは機能がシンプルなので操作するボタンの数が少なく、日常的に使うボタンは初期画面上に配置されています。(管理者権限がないと操作できない重要な設定は、一般メンバーは操作できません)
ですから、自分のしたい操作はどこにあるんだっけ?? とボタン探しをすることはありません。「このボタンを押せば○○のことが出来そうだ」ということが容易に想像できるんです。
Stockの導入にあたって特別なトレーニングは必要ありません。
最初に「こんなふうに使うんだよ〜」と新メンバーに伝えたら、あとはどんどん使えるようになります。
本当に、本当です。
料金設定が良心的
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Stockの料金設定は、作成したチームごとの課金です。
1ユーザーごとの課金ではありません。
チームメンバーが5人、10人、20人と大人数のチームになると料金は高くなっていきますが、1ユーザーあたりに換算した料金を見ると、他のチャットツールやプロジェクト管理ツールに比べて断然リーズナブルです。
Stockはリーズナブルな価格設定でありながら、「わかりやすく簡単に情報を残す」という、最も難しいミッションを見事にやってのけているのです。
Stockが足場を固めてくれた
Stockを使うようになって、感動するほど実感したのは「共同作業のベースとなる足場がしっかりした」ということです。
「他のメンバーの考え」「自分の考え」「問題点」「改善された点」「周知すべき事柄」など、今まで「まとめていたつもりになっていたけど、実際にはバラバラだったこと」がきちんとストックされて、積み上げられて行く。
きちんとまとめられた情報というのは、「見てわかりやすい」というだけでなく、それを見て考える自分の思考に跳ね返ってきて、論理的に思考できるようになるものだと思います。
そしてまた、Stockを使って完遂したプロジェクトは、よい達成感が得られるようになりました。
それまでの達成感は、「大変だったね。でも終わったね。」という事実だけで、その後に残ったものは僅かだったのかもしれません。
Stockの良い評判・悪い評判
Stockはすでに、色々な業界・業種、規模のチームで導入されています。その中から、良い評判・悪い評判をまとめました。
全体としては、圧倒的に良い評判が多いですが、そればかりではありません。
全てのユーザーのニーズを満たすというのは無理というものですから。
悪い評判というよりも、ちょっと残念な点としては「フリープランは機能不足」という点は否めません。
Stockのフリープランは、ごく小さなプロジェクトや家族の家事分担などで使ったりするのに、ちょうど良いのだと思います。
Stockの導入件数
Stockが提供している機能は、情報の伝達・共有、話し合い、タスク管理という、どんな場所でも重要な根幹となる部分です。
そのため様々な企業で導入が進み、2020年7月時点では5万社と発表されていたのが、その後2021年10月に8万社、2022年7月は10万社、2023年4月には15万社と、3年ほどで3倍に増えています。
このことからも、Stockの注目度の高さが伺えます。
私の周りでも、Stockをメインに使っている団体が少しずつ増えてきた印象があります。
株式会社Stockってどんな会社?
Stockは各メディアからをどのように評価され、紹介されているのでしょう。
また、Stockを開発している株式会社Stockとはどんな会社なのか、その辺もまとめました。
Stockを開発しているのは、株式会社Stockという日本企業です。
代表取締役社長は、澤村大輔さん。設立は2014年4月1日。
事業内容はズバリ「情報共有ツール『Stock』の運営」。
株式会社Stockは2021年、週刊東洋経済 2021/9/4号「すごいベンチャー100」に選ばれるほど注目されたベンチャー企業です。
株式会社Stockは設立当初、社名を「株式会社リンクライブ」としていましたが、2020年9月に実施した1億円の資金調達に合わせて、現在の「株式会社Stock」に社名変更しています。
2020年9月8日(日本経済新聞)
社内情報共有のStock、マネフォと提携 1億円調達
2020年9月8日(BRIDGE)
情報共有ツール「Stock」運営、長年のブートストラップ抜け1億円を調達——DNX V、East V、マネフォ、インフキュリオン、エンジェルらから
この資金調達の時点で、Stockはローンチから2年3ヶ月ほど経っていたということですが、それまでのあいだ広告費はゼロで積極的なマーケティングはしていないにもかかわらず、ユーザーがユーザーを呼び込む口コミによって、Stockを導入した企業は約2年半で50,000社を突破し、着実な成長を見せました。
しかも、正式版より以前のStockベータ版は完全無料。
では、その無料期間の運用資金はというと、当時のリンクライブ(現在の株式会社Stock)が初めて開発した「鬼ツッコミ」(ECサイトを利用するユーザーの不満を一覧化するアプリ)が黒字化していた、ということが背景にあるとのこと。
このあたりの事情は、下記に示すテクノロジー系のニュース配信サイトで、澤村社長への取材記事がいくつか残っています。
2017年9月12日(BRIDGE)
スモールチーム向け情報共有ツール「Stock」がβローンチ——〝情報のストック〟と〝タスク管理〟の機能をミニマル化
2017年9月12日(Tech Crunch)
Slackだと蓄積できず、Dropboxだと面倒 ――「Stock」は価値ある情報をチームで楽にストックできるツール
2018年4月10日(BRIDGE)
スモールチーム向け情報共有ツール「Stock」が正式ローンチ——口コミを中心に2,200社が採用、情報の蓄積にあわせチャーンの抑制にも成功
2018年4月10日(Tech Crunch)
Slackだと流れていく情報をチーム内に蓄積できる「Stock」が正式公開、ベータ版は2200社が利用
公式サイト Stock公式サイト
またnoteでは、「Stock創業ストーリー」と題して、澤村社長による会社設立当初のエピソードも公開されいて、とても興味深く読めます。
会社情報 株式会社Stock
公式ブログ Stock公式ブログ
最後に
私がStockを使ってみて、「Stockみたいなアプリって今までになかった気がするけど、なんかいいな」と思えたのは、私の状況から改めて考えると、次のようなことが思い浮かびます。
- ノートに紐づけてタスク管理ができるので、タスク全体がわかりやすくなった。
- 情報が埋もれてしまったり、見逃したりすることがほぼないので、メンバーといつも「ツーカー」でハナシが早い。
- 新メンバーが途中参加したとき、それまでの情報伝達や現状説明がラクになった。
- 各個人が収集した小さな情報や、気づき、疑問などをストックしていたら、チーム全体での大きな気づきに結びつきやすくなった。
これらはどれも「当たり前」のことのようだけど、これらがたった1つのシンプルなアプリでできて、しかも、情報が管理されて綺麗に記録されていくんです。
特に4つ目の「大きな気づきに結びつきやすくなった」というのは、想定さえしていなかったことでした。
Stockを使うことで、今まであやふやで見えなかったことが見えてくるような気がしています。
なんていうか、「知識・情報をチーム全体で積み重ねて、確かな足場の上で進んでいける」という感じなのです。
それと、余談ですが
株式会社Stockの「Stockへの意気込み」がすごく気に入りまして。
ハングリー精神なんていう言葉は、今は流行らないかもしれないけど、そういう情熱の感じられるシステムって、自然と刺さってくるものなんだ、と思うんです。
いま、Stockの画面は、日本語のほかに英語表記に変更できるようにもなりました。
こうした管理ツールは外国産が多い中で、日本発のStockがグローバル展開されていったら本当にすごいな、と思います。
そして、Stockが好きな私としては、すごく嬉しい。
Stockいいですよ。ほんと。
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